2026.03.16

奥さんを寝かせておきたいのでゴミ出しや乾いた食器の原状復帰など朝のタスクをなるべく済ませて出勤。朝から家事タスクに着手すると家事は無限なので残タスクがばかぼこ増えてきて、未処理のそれが頭の片隅にずっとあって落ち着かないのでなるべく早めに帰宅したい。風邪に効く夕食のメニューについてずっと考えながら労働。きのうの奥さんとの録音は聴き返すと案外成立していて、目の前の相手に相手にしてもらえてるという手応えと、そこでの会話が聞けるものになっているかという実態との間にある乖離は常にでかいよな、と思う。

今晩は曖昧中毒のライブか渋谷らくごかで悩んでいたけれど、奥さんが家で大人しくするとあって渋谷らくごを配信で見ることにする。Ryotaさんのおすすめ「吉笑三題噺2025 day1」。Ryotaさんは会場で見ているらしい。立川寸志は枕の方が調子がよくて楽しい。ネタの方はそこまでハマらなかった。サラリーマン落語と言いつつサラリーマンの演技プランがあまりにも紋切り型ではないかと感じたが、あとで聞いたら元はベネッセの社員で、たまごクラブひよこクラブの名付け親とのこと。そこまでの会社員となるとたしかにいかにもなのかもしれない。ベネッセの本社が新橋にあるのかは知らないが。弁財亭和泉は発声が落語っぽくなくてほぼオーディブルじゃんと奥さんは口を尖らせていた。深夜ラジオにまつわる創作で、わりあいじーんときてしまう。玉川太福は寅さん浪曲の人で、いつか寅さん浪曲を見てみたいのだった。僕でも知っている「清水次郎長伝 石松三十石船道中」で、やはり古典がいいよなと感じる。さて、この三者の演じている九十分の間に、開演直前にくじ引きしたお題で立川吉笑が即興でネタをつくっている。きょうは「シャドーボクシング」「パッチワーク」「サナエトークン」で、正直お題の時点でだいぶ厳しそうだった。けれどもいちばん白けそうなお題を早々に「さあな江藤くん」で処理してきて爆笑した。見事な肩透かしだったので、最後わざわざ苦しい時事ネタに持ってかなくてもいいのに!と惜しく思う。消化不良なので明日も見ようね、と言い合う。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。