明け方に目が覚めてしまう。時刻を確かめると六時前。ふだん八時半起きもつらい自分としては早すぎるのに、そのままiPhoneを手放せず呼符でガチャを回すとトリ子が来てくれて、ますます眠れない。隣で奥さんがおもむろに挙手をするのでながめていると、右腕につられるように左腕も挙がって、両の手首を擦り合わせたり、手首で拍手をするような動きをする。奥さんのこの寝相が僕はとても好きなのだけど、久しぶりに見た。
荷物が八時ぴったりくらいに届いたので踏ん切りがついて起き出して、しかしこんな朝早くから配達ってあるのか。調べると今は七時からもう届けているらしい大変なことだ。顔を洗って部屋着に着替えて──寝巻きと部屋着は分けた方がいいと長い在宅生活で学んだが実行できる割合は四割と言ったところ、いや盛りました、三割──コーヒーを淹れてアンビエントな音楽を聴きながら原稿のチェック。話し言葉を文字に起こす人の技術ってすごいよな、と思う。うにゃうにゃ喋ってたのが自信満々に見えるし、それでもなお僕の思慮の浅そうな感じや謎の飛躍など、喋ることの即興性みたいなものがそのままに保存されているようにも読める。午前中はがっつりとチェックを進めて、寝かしてまた明日か明後日に終わらせてしまおう。ヨーロピアンシュガーコーンで自分を労う。『江戸のアウトロー』を少し読む。めちゃくちゃ面白いのだが、き集中が続かない。すぐにiPhoneをいじってしまう。なんだろうな、うまくいかない。
午後からしっかりめに働いて、終えると具合が悪かった。最近夜は具合が悪いことが多くて、自律神経が参っている。寒暖差もあるし、湿気もあるし、あらゆることがある。奥さんは買い物に出掛けて行って、僕も散歩に出たかった。雨が降りそうで降らなくてぼんやり具合が悪く、動き出せそうにない。横になってしまった。本も読めずゲームもする気にならずただ布団の中で延々とツイートしていた。少し寝て、夕食。足首のあたりに何か溜まっている感じがある。ようやく強めに降り出した。食後、着圧ソックスを履いたらだいぶ改善された。奥さんがムジュラで神殿をひっくり返してる横でシュヴァルを一章ぶん読む。少しでもこうして読めるのは嬉しい。まだ大丈夫、と確認するような読書。
