今朝配信のオムラヂを聴きながら移動。昨日からDos Monos の新譜ばかり聴いてる。「早稲田のハイジ座」がやっぱりあのハイブリットハイジ座のことで、胸が熱くなる。新幹線は当日自由席で余裕。とはいえ思ったよりは人がいる。三人席は間隔を空けて二人座る程度。「奇奇怪怪明解事典」をいくつかてきとうに聴く。
名古屋に着いて即本屋。金山のTOUTEN BOOKSTOREさん。予期せず平置きされてる『プルーストを読む生活』に出くわして感激する。隣には『うろん紀行』も。入り口近くには『パリ闊』も揃っていて嬉しい。周りの本たちもいい顔してて、それはどの棚もそうだった。既知の整理の合間に驚きが潜んでいるような棚で、背伸びしないまま新しい世界に開かれている、理想の「ふだんの本屋」という感じ。近所にあったら毎日行っちゃいそう。レジで挨拶をして、イベント頑張ってくださいね、と見送ってくださる。教えてもらったブラジルコーヒーで定食。煙草の匂い、久しぶりだな。貼られている映画のポスターがいちいち良い。ラスト・ワルツ。
さて、どこに行こうか。久しぶりの遠出にはしゃいでる。どうせ夜にはぐったりだから日記のメモ代わりにたくさんツイートする。読書珈琲リチルは水曜定休なのか。名大の近くにあったころ、母の運転する車で連れてってもらって弟の午後とふたりでしこたま本を買った。シマウマ書房さんも水曜定休だ。大人しく千種で乗り換えで、千種で乗り換えるということはちくさ正文館に行くということだ。ちくま学芸文庫を三冊。
東山公園で下車してON READINGさんに顔を出す。ギャラリーで10周年記念展『平行書物展 ~Il libri parallela~』を見る。あらゆる名作のタイトルや概要のもじりがすでに楽しいし、各作家さんの応答もまた遊び心と本という物体への美意識に溢れていてとても素敵だった。イベント前に楽しもうと思ってけど、当のイベントの準備で早仕舞いなことに気がついて慌てて寄ってよかった。『プルーストを読む生活』の装画も描いてくださった西淑さんや、柿内正午の顔といってもいいアイコンの似顔絵を描いてくださった箕輪麻紀子さんの作品はもちろん最高。
ようやく歩いて実家に向かう。しかしまだまだ夏だな。汗だくだ。シャワーを浴びて、Tシャツをベランダで乾かしておく。父とおしゃべり。保坂さんとの対談のこと、小島信夫、プルースト、ゾンビ、動物への生政治、医療の聖性……、今の関心ごとについてあらかた語り尽くす。一時間半くらい。すでに今夜話そうと思っていたことを出し終えてしまった感じがあって大変良い。
また歩いて東山公園へ。イベント前の景気づけにFGO のガチャを引く。カーマちゃんが来てくれて嬉しい。なぎこさんはダメだったね……。僕は底抜けに明るくて主人公に興味がなさそうななぎこさんが好き。主人公にベタベタしてくる重ためのさくらもかなり好きだけれども、この夏はなぎこさんが一番だったな、などと奥さんとSlack でぐじぐじやり取り。奥さんは「重ための背景を持ちつつ明るく振る舞って万民を愛する皇帝がいるでしょ」と返してくる。その通り、なんであれネロちゃまが一番なのだ。
そんなこんなで開場時間。ON READINGさんの本屋のほうに着くと入ってすぐのところに松井さんと青木さんがいらっしゃる。挨拶。マスクさんも奥の方からやってきて、感激の初対面。やっぱり素敵な方だった。ルチャオリジナル皮小物の可愛さに惚れ惚れ。会場入りして録音の分担などかるく段取り。軽い段取りさえ事前にするのが新鮮なくらい、これまでぶっつけ本番でやり通してきた。母は松井さんの隣の席を確保したようだった。息子がお世話になってます、と話しかけようかと思ったわよ、とあとで言っていたが、話しかければよかったのに。五分前には皆さんお揃いで、そこから二時間強、ほぼノンストップでおしゃべり。僕も青木さんも止まらない。途中で割り込むようにしないと永遠に一人で喋っていそうなシーンがお互い何度かあって、とてもスリリングだった。イベントにご来場いただいた皆さま、お尻や空腹の限界に迫る長丁場にお付き合いいただき本当にありがとうございました。やっぱり画面越しでなく直接お話しするとがっつり火花を散らせる。「二人のデカメロン」、最終夜にして美しいプロレスになったんじゃないかなと思う。今朝のオムラヂから「気を遣い過ぎずもっと踏み込んでこいよ」というメッセージを勝手に受け取り、あえてマイクを奪いにいくような話し方を試してみた。そうしたらめちゃくちゃ疲れた。手探りの技を受け切ってくださった青木さんも、温かく笑ってくれる黒田夫妻も松井さんもマスクさんも本当に頼もしくて、ありがたかった。イベント後「文學界」も『プルーストを読む生活』も何冊か買っていただけて大喜び。サインなどした。
完パケ後、三人でそれぞれサイン本作り。黙々と作業するのを面白がって黒田さんや松井さんが写真に撮る。終えてもうどこもお店もやっていない、結局片付いた会場で、黒田夫妻、青木夫妻、松井さんと六人で輪になって立ち話。放課後の高校生みたい。前回はガストで、今回は立ち話。どんどん高校生力が高くなってる感じがする。次こそは、おいしいものを囲みたいな。参加者の方も一緒に楽しく打ち上げがしたい。そう思う。勝手にまたイベントしに来る気でいるというか、恒例化する気満々だった。23時過ぎに解散。帰宅して父の作ってくれたモツ煮をもりもり食べていたら日付が変わる。日記を書いていたらもうJUNK が始まる時間だ。打ち上げ代わりの立ち話のなかで青木さんは一人だと寝れないと言っていたが実は僕もだ。久しぶりに「不毛な議論」でも聴くかな。